妄想歌謡劇「上を下へのジレッタ」感想と覚書

関ジャニ∞にはまってそろそろ半年。

そんな私が横山裕さん主演、「上を下へのジレッタ」を観劇してきたので感想などを残しておきたいと思う。根がキモオタでなんでもすぐ感動するしすぐエモがるせいで文はとっても長い。でも熱が冷めないうちに、感想と覚書。

※面白い文章は書けないし自分用の覚書なところが多いのでぜんぜん読まなくて大丈夫です。ツイッターランドにたくさんすてきな感想が流れているのでそっちの方が絶対楽しい。

 

 

www.bunkamura.co.jp

 

あらすじは上記リンクから。

  

 

まず、私が舞台やミュージカルを観に行く動機は主に三つある。

①推しが出ているから

②推しはいないけど内容が気になる

③その舞台・ミュージカルそのものが好き

に分けられる。

 

①の場合は、推しありきだから推しが出ていない限りは自分から足を運ばないようなものがほとんど。演出家や音楽担当の方が私の肌に合わない・絶対クソ舞台、って分かっていても行く。それで面白かったらラッキーだし、共演者の方々が豪華だと大大大ラッキー!その上、脚本や構成、音楽が自分好みだと大満足!!!基本はそんな感じ。

感覚的にはお金を払って動く推しを見に行く。+ラッキーがあればハチャメチャに大満足!!になる。

 

今回のジレッタの第一歩はまさにそれ。

「横山さんが出ているから行く。」

ひどく明瞭な理由だと自分でも思うし、そもそも舞台観劇をライフワークとしている人以外は舞台見に行く理由の一つに必ず目当ての俳優の存在があるのではないか。私も例には漏れない。

今回はそれに加えてあらすじを読む限り「上を下へのジレッタ」の内容も面白そうだった。手塚治虫と聞いただけで勝手に期待をしてしまう。その上見渡してみると共演者の方々も素敵な方ばかり!

おやおやこれはもしかして、めちゃくちゃ楽しいかもしれないな…???

演出家の倉持裕さんのことこそ存じ上げていなかったけれど、発売されている雑誌のインタビューを読むと、原作読んでもいないくせに彼がどう原作を料理して味付けしたのかもめちゃくちゃ気になった。

(そして後にこの倉持裕氏にひれ伏すこととなる)

 

 

しかしやっぱりジャニーズが出てる舞台に足を運ぶのは初めてのことになるし、Jの現場に行くのは三度目とかそんなもんで、ちょっと不安を抱えていたところがあった。謎の怖さ。できれば生きて帰りたいって思っていた。いろんな意味で。

それに加えて何度もつまらない舞台にあたったことがあるせいで、そっちも若干不安だった。期待してたぶん、もし…なんてことを頭の片隅で考えていたけど、まあ横山さんの顔面is最高ofゼウスだしそれで元は取れるしまあそのときはそのときで…、と。

 

でもね、そんなのただの杞憂だったんだ〜!

 

 

5/19マチネと5/20マチネ。

私の初日と千秋楽。

 

初見はとにかく衝撃だった。

全部が楽しかったし全部がすごかった。

演出、音楽、脚本、キャスト、アンサンブル、どれをとっても文句の一つも付けられないほどで、観客としてすこし悔しい!!って思えるくらい非の打ち所がなかった。

とにかくエンタメ。果てしなくエンタメ。

とりあえず下記は見た初日のツイートを貼る。

 

 

おわかりだろうか。

大変興奮している。

そのくらいこの舞台はおもしろかった。

横山裕さんの顔面が観たいがあまりに行ったはずなのに、舞台として最高のエンターテイメントで、休む暇がひとつもなかった。退屈な時間が本当にひとつもなかった。

それをとりあえず順を追ってなんとなく書いていこうと思う。

 

 

■脚本・演出がすごい!

この舞台の存在を知った時点でジレッタを読んだことがなかったので原作未読のまま行った(観終わってから読みました)。それもまた個人的には正解だったように思う。

まっさらな状態だったから全身で倉持裕節を感じることが出来た。

このことが、観劇後数日経ってもなお嬉しく思う。

 

脚本演出:倉持裕

音楽:宮川彬良

振付:air:man氏

名前見ただけで本来ならすご!やば!ってなるメンツなんだと思う。

私は下二人は名前も活動もなんとなく知っていたけど、お恥ずかしながら倉持氏のことはなんにも知らなかった。ウィキペディアを見てみても、まあ当然かすって来なかった感じだったし、事前資料は横山さん・ハマケンさんとの雑誌の対談のみ。

 

で、まあ横山さんの言葉をお借りして蓋を開けてみると!

この倉持裕氏の脚本・演出がとっても好きなやつでして!

なんか今までミュージカルとか舞台って、その時の推しが出ていたら確実にクソ舞台だろうなと思っていても行っていたし、それでクソ舞台でも推しを見る為だから推しさえいればそれでいいと思っていた。

要は観てみるまでわからない博打じみたものっていう認識だったんですよ。他の人が面白いって言ってるからって面白いとは限らないし。それにチケットだって安くない。どうせなら内容にも満足したいじゃないですか。

 

ジレッタもTwitterでは評判よさそうだったけど、やっぱり自分の目で見るまでは期待と不安が半分ずつあった。

でも!!ほんっとうに楽しかったんですよ、最初から最後まで!

目から耳から全身から入ってくる情報量が凄まじくて!息つく暇が本当にない!だからってずっと全力疾走しているわけでもなく、しっとりとしたシーンもあってしっかり緩急がついている。もう天才。天才だった。

 

この時の私に全面的な同意しかない。まじですごい。

 

てかジャニーズ絡む舞台っていつもこんな高水準で良質なクオリティなんですか?

もしそうならジャニーズで生きてきた人たちは恵まれているとしか言えない…

きっと予算がしっかりしているからこそ出来た場面もたくさんあると思うんだけど、とにかく倉持裕氏の脚本・演出によるところが大きいと感じた。

そもそも良い役者がどれだけ揃っていても脚本がアンマリ…な舞台は観た後に良いところを探すのが大変で、感想が基本推しくん・自担の顔面になってしまう。(逆に低予算でも脚本演出がしっかりしていればいくらでも面白く楽しくなることは知っているしそういう舞台も好き)

しかし見て分かるように、横山さんの顔面はもう褒めるまでもなく美しいのは当たり前だし役者ありきなのは重々承知なのだが、それよりも先に舞台についてを語りたくなってしまう演目だった。それって「観劇」においてとっても幸せなことで、文字通り私は幸せに満ちて劇場を後にした。

とにかく期待していたものをはるかに超えていて、舞台上の熱を全身に浴びた私の脳は、直感的にこれ大好きなやつだ!!!って本能に訴えかけていました。

 

そして5/20マチネの後のツイート

見事にほぼ演出のことしか呟いていなかった。

 

アンサンブルの方たちの熱量も本当にすごい。全員が全員でジレッタを作っているんだって感動した。あとね、個人的に好きなところはカーテンコールのときに、アンサンブルの方たちがそれまでに着ていた衣裳を一人ずつ違うものを着ていて、がんばってくれた衣裳たちにも拍手を送れるんですよ。ん~~すてき!この衣裳で出よう~って誰が言い始めたのかなあ。気になる。

 

 

■歌詞と曲がすごい!

ジレッタには歌が22ある。

その全てが倉持氏の作詞。

そして曲をつけたのはかの宮川彬良氏。

このタッグがまた最高すぎた。

パンフレットをぜひ買って読んでほしいんだけど、宮川さんの曲作りの仕方がすごすぎるのと、そのあとで分かるような分からないようなことを言っているのがああもうぐうの音も出ない天才。あと横山さんに対してもとってもうれしいことを言ってくれていたりするのでパンフレットは絶対買って全部読んでほしい!

 

もうね~歌詞も曲もとっても耳に残る。口に出したくなる。

もう最後に曲を聴いてから二日以上経つのに、歌詞を見ただけでメロディを思い出せるの本当にすごい。エッジが効いていていたりポップチューンだったり、でも王道の作り(しらんけど)をしてるから頭に残るんだろうなぁ。

あと倉持さんの書く歌詞がストレートで分かりやすい!言葉のセンスがとってもよくって、歌っている時に「あれ?何言ってる?」っていうのが無い。初見で何を言っているのか聞き取れないミュージカル音楽に出会ったことって、みなさんたぶん一度はあると思うんだけど、そういうのが無かった。歯切れのいい言葉が並んでいるのかなんなのか分からないけど、とってもすっと入ってくるからストーリー展開もわかりやすいし、歌がとっても効果的に使われている。

すごいなあすごいなぁ〜〜!!

 

 

■妄想歌謡劇がすごい!

ます最初に横山さんの歌に関して畏れ多くも言わせていただくと、大変失礼な話ではあるのだがハードルをかなり低く見積もっていたので、「あ、歌えてる!」という印象だった。(てか横山さんの歌声を好きになってしまっているので上手い下手とかどうでもよかった)

パンフレットを読んでみると、「本格的ミュージカル!と謳ってしまうと困るが、妄想歌謡劇だからこそできた。自分の歌を「味」として楽しんでいただけたら。」とあったのを見て、なるほどとなった。

 

そもそも原作つきの舞台は、世界観にもよるけれどそのキャラクターが上手く歌を唄える事実は描かれていない事の方が多い。

ジレッタの場合、小百合チエとジミー・アンドリュウスは歌が上手い設定だけれども、それ以外の門前を始め、オンちゃん、リエ、有木足、竹中社長など、歌が上手いなんて漫画のどこにも描かれていない。

そもそもこの「妄想歌謡劇」に歌が上手くないといけないルールなんてない。だってこれは、一見ミュージカルのように見えてしまうが「ミュージカル」という括りの舞台ではないからだ。冠に「妄想歌謡劇」とついている限り、妄想歌謡劇なのだ。

それがとっても効いている。

 

私はミュージカルの為に作られていない作品がミュージカル、もしくはそれに準ずるものに変換されたとき、平面のキャラクターが役者の色が入ったキャラクター像になるのが面白いと思っている。

横山さんが言っている通り、今回はそれを「味」として楽しむのが一番なのだろう。それがジレッタ!!

原作を大切にするのであるなら、歌が超絶上手い門前はなんかはそんなの門前とは違うような気さえする。それだけ横山さん自体があの空間の中でだけは「門前」だし、それに対してなんの違和感も抱かない。すごいなあ、役者だなあ…。

そう考えると余計にジレッタが楽しくなってくる気持ち、伝わればいいなあ。

(だからといって別にこのままでいいじゃんとは思って無くって、周りに引き上げられるようにだんだん上達していく横山さんの歌を公演期間の最後まで見届けられないことはとっても悔しい)

 

■横山さんがすごい!

言うまでも無く顔がかっこいいのはひとまず置いておいて、横山さんほとんど舞台に出ずっぱりで休む暇がほとんどない。平然とやってのけてるけど、本当にどれだけ稽古したんだろう。かっこいいなあ…。

ジレッタの話的に、最後は破滅の道を歩む結果となってしまうんだけど、横山さんはこの二ヶ月くらいずっとこの破滅エンディングを迎えなければいけない。東京はあと半分、そして大阪と、ずっとずっと破滅して、最後の最後で現実に固執するようなエンディングを迎えなければならないのだ。

これは勝手な想像だけど、役に入っていればいるほど気持ちの面でもきついだろうなあ、と思う。

竹中さんやハマケンさんが追加公演をすると横山くんが死ぬ、とおっしゃっているようだけれど本当にそんなくらい一回のカロリーが高い。歌って踊って演技して。言葉で言うのは簡単だし、ほんとに難無くやってるように見えるんだけど絶対大変だろうなぁ。舞台だけでも体力勝負なのに、それに加えてレギュラー番組収録や雑誌の取材とかあるんだから、本当に休んでいるのか心配になってしまう…。それでもきっと疲れたとか大変だとか言わないんだろうから、もういろんな感情で涙が出そう。

横山くんさんちょうかっこいいよ…。

 

あとツイッターを見ているとしょこたんもドラマにラジオに収録にとめちゃくちゃ忙しそうにしていて本当に本当にお疲れ様です、と素敵なチエを演じていただきありがとうございますとしか言えない。

仕事だから、と言ってしまえばそれまでだけど、みんな命削ってやっているんだなあってしみじみ思わされるとこれまた涙が出てきてしまう。本当に感謝しかない。

 

 

 

 

 

ここまでだらだら書いてきたけど、要は時間があったらジレッタを観てみてほしいと言いたい。

例の娘さんと同じことを言ってしまうけど、純粋にたくさんいろんな人に観劇してほしいなっておもう。ジャニーズの舞台でしょーって斜に構えるのはほんとにもったいない。横山さんの見せ場はたしかに多いけども、そういうことじゃない。横山さんを含めたジレッタが、いかに舞台作品として優れているかをいろんな人に体験してほしい。

 

座席に座って緞帳が上がったら、そこはジレッタ空間かもしれない。

まやかしで虚構でフェイク。そんな現実からジレッタに足を踏み入れてみて見えた景色ははたして妄想なのか、はたまた現実なのか。

頭が足りなくて内容を紐解こうとすると時間が足りないのでそれはゆっくり考えようと思う。

 

 

 

 

ここから先は完全ネタバレというか私が好きなジレッタのシーンの覚書!!

 

 

・オンちゃんと門前のやりとり

工事現場のやつは舞台ならではなんだなあ。シーンの切り取り方が上手だしここおもしろかった。倉持さん天丼すきよね

 

・ジミーアンドリュウスのフェイクスター

→イントロのブロードウェイ感!だいすき!ギラギラ!!テンションあがる!ショービジネスしてます感がとっても大好き!!余計に楽しかった!

 

・M14のアイドルの逆襲

→歌詞がとっても尖っている。アイドルのポップな曲調でずーっと棘のあることを言っているからこれもアンビバレントなのかな。なんかこのアイドルの逆襲と政治のやつに、倉持さんをとっても感じる。周りが大変なのに、チエとオンちゃんはずっと結婚資金の話をしてたり、っていう所がすきな人が作る曲。あーーでもこれって宮川さんがちゃんと倉持さんの頭の中に流れてるメロディをアウトプットしたから出来てることなんだよなぁ…スゲーー。

ここほんとアイドルとはを考えさせられる。

「アイドルになったからアイドルを名乗るんじゃない、アイドルを名乗るからアイドルになれるのよ」

この歌詞が好きすぎるんだなぁ。

 

・邪道の嘘つきも好き!!!

 

 ・間リエ

→舞台になったジレッタの中で一番好きなキャラクターかもしれない。ちなみに着ていた衣裳全部だいすきで欲しい着たい(似合わない)。リエちょういい女だったな~。プライド激高女なのに顔が美人だから言ってることに説得力しかない。チエとの諍いのところはもう~~離婚して再婚までしたくせに門前のこと大好きじゃんかわいい~~ってなってたなあ。チエとの掛け合いは女の醜さと強さがあってとってもすきだった~てかまじでユイカちゃんかきれいでかわいくて己の前世の業を呪った。

 

・門前と横山さん

→出だしからやばい。完全なるスターの出方。電話の出方がとってもいい。「門前」これだけでちょうかっこいい。とにかく女性を抱きしめたり接近する度に体格差萌えが止まらなかった。背高いし身体がしっかりしている…。そしていちいちおててが色っぽい。リエとのお歌のとき、すっごく声が優しいときがあってあ~門前やっぱりリエのこと好きだよな~~って思ったり。スライディングのところだいすき!笑うところなのにかっこいいとはなにごと。

ベロアジャケット~~さいこう。私ロングコートももちろん好きなんですけどあのなんか趣味わる~いかんじのさ~。すきだった。あの時の「どのリエだね」の言い方、あれでさえかっこいいんだけどめちゃくちゃ門前~~!!憎たらしさが出ていてすき!あとハロー・ジレッタの言い方、あれ大好きじゃない??みんな好きだと思う。あれちょういい。

ソファをひらりと飛び越えるところ!ずるいずるいかっこいい!

チエとソファに座ってるときにソファの背に腕を置くのもやばいあんなん好きでしかない。

 

あーもう書ききれないのでとりあえずやめ。

 

 

 

はーーーとにかく楽しかった!

なんか舞台芸術としてエンタメ性がとっても強いから、これはこれで映像化されない方が逆に良いんじゃないかって思うくらい。その分、たくさんの人に観てほしいーー!って思うんだけどそれも難しいからもうどうしたもんか、って感じだなあ。

あーーでも楽しかった!ほんと!ジャニーズというか関ジャニというか横山さんを好きになってなければ絶対出会えてなかったと思うと、いろんな巡り合いに感謝だなぁ。いろんなものに興味持って自分の目で確かめることって大切だなぁと改めて思った次第。

はぁ〜一万くらいでこんな楽しい時間を買えるなんて世の中すごい…。幸福度がマジでタカイ。ほんと役者さんたちにおひねりねじ込みたすぎる。そのぶん拍手してきたけど!!

上を下へのジレッタはさいこう!!

カンパニーのみなさんが大阪ラストまで怪我なくつっぱしれますように!

 


以下余談

 

 

 



 

ほんとにほんとに余談だが、奇遇にも以前に手塚原作の舞台を推しくん目当てで観に行ったことがあった。

劇場も都内有数の大きな劇場。手塚治虫の名とその劇場の名前だけでもう期待値は高まっていた。

でもいざ観劇してみるとびっくりするほどつまらない。一幕終わった時点で友人と顔を合わせては何を言っていいのか分からないくらいつまらなかった。

それでも色々観ながら考えた。何にが悪いんだろう。

そしてたどり着いたのが「音楽」だった。主演と脇にあんまり知らない某アイドルグループの子がいて、明らかにその子たちに合わせたキーの楽曲や歌いやすそうな、その舞台の世界観がまるで無い楽曲だった。他にも要因はあったが、それが一番の原因だった。(その子達は頑張ってやってたし上手だったと思う)

 

この経験があったからジレッタを観るの、少し心配だった。

アイドルが出ていると、その力量に合わせたものになるんじゃないかっていう懸念。心から楽しいって思えなかったらいやだな、っていう不安。

でも本当にそんなことなくって、すっごく楽しかったからよかったなと思う。

変に「アイドルが出ている舞台」に色眼鏡をかけずにいてよかった。

倉持さん本当にありがとう。